最終巻表紙の覗き穴に、人差し指を出したり入れたりして楽しんだであろう江古田ちゃん読者の皆様、こんにちわ。出したり入れたりしてみた必需品ことボクです。
終わっちゃったね、江古田ちゃん。まあこの漫画の性質上、今後も読み切りの形で紙面に乗ることはありそうだけど。この前も『寄生獣』とのコラボでアフタヌーンに載ってたし。
それにしてもこの作風で全8巻出すって、相当凄いことだと思う。ほぼ主人公視点で描いた漫画で、かつ4コマだもん。
考えてみると、4コマ漫画で手元にあるのって、『臨死!!江古田ちゃん』と『あずまんが大王』だけだ。このコントラストもどうかとは思う。
最終巻のお気に入り
個人的に気に入った4コマの中から、1コマか2コマ切り取ってみる。4コマ一編の中からコマ切り出しても面白いという。あと、最後までクォリティ下がらなかったどころか、最終巻で面白さ上昇した感じあった。
ほめてつかわすw
江古田ちゃんの変態エンカウント率たるや。
白く曇ったメガネに萌えの需要があるのか!
「ふぇええ」とか実際口にする人もいるもんね。
へー!へー!へー!へー!へー!(ボタン連打)
ある一定の特徴のある男受けのいい女性を指しての”猛禽”という名称は、この漫画に置いての発明だったと思うし(大げさ)、それに対しての考察は毎度面白かった。作品後期では男版猛禽ちゃんと言えるような存在に対する考察も描かれるようになり、まだまだ行けるだろという気はした。
たまに急に「真理!?」と思わせられるフレーズも飛び出したり。ある意味『コジコジ』的な。全然違うけど。
『臨死!!江古田ちゃん』と『東京タラレバ娘』の類似
少し前に東村アキコの『東京タラレバ娘』(以下『タラレバ娘』)について書いたのだけど、この2作は似てる。『臨死!!江古田ちゃん』(以下『江古田ちゃん』)を初めて読んだ時の衝撃って、『タラレバ娘』の衝撃に近かった。「お前、それ描いちゃうのかよ…」っていう、やりやがったなっていう感覚。
どちらも、女性作家が女性視点で主に女性を批評して笑いもとるという漫画だ(『江古田ちゃん』は男の批評も多いな)。TVのバラエティでも批評的な笑いはトレンドだけど、ギャグ漫画にもそれは言えるのかもしれない。わかんないけど。
ただこの2作が決定的に違うのは、周りをネタにするか、自分をネタにするかという点だと思う。実際には『タラレバ娘』だって作者の実体験は反映されてるだろうし、江古田ちゃんのエピソードも作者の体験ばかりではないだろう。でも、読んでいる側に与える印象として、夫々そうだと思うのだ。
「お前、周りをネタにしちゃって大丈夫なのかよ」が『タラレバ娘』で、「あんた、自分のことそこまで晒しちゃって大丈夫なの」が『江古田ちゃん』。
まあ、『タラレバ娘』はなんだかんだ言って少女漫画だし、『江古田ちゃん』は明らかに青年漫画だったから、そもそもの分類は決定的に違うけどね。
何故この漫画が好きだったのだろう
何故この漫画が好きだったのかって考えた時に、笑えたのは勿論なのだけど、主人公 江古田ちゃんの視点に同調できたからなのかなって思う。
とは言ってもボクは男だし、完全に同調は出来ないんだろうけど、少なくともそう感じさせてくれた。
ボクは、「カッコイイことはカッコイイ悪い」と思ってる節がある。いや、カッコイイことはカッコイイに決まってるんだけど、それをすることに抵抗がある。
江古田ちゃん読んで面白く感じる男って、ボクみたいな価値観の人が多いんじゃないだろうか。平たい言い方すれば「こじらせてる」っていうか。
同じように、江古田ちゃんを面白がれる女性の多くは、女らしい行動や言動を自分がすることに、強いテレがあるタイプなのかも。だから読んでいて「あるあるネタ」として共感できるし、「よくぞ言ってくれた!」的なカタルシスを感じる。
TV批評家のナンシー関が好きなのだけど、ナンシーの文章の凄さの一つに「なんとなく頭の中で思っていたモヤモヤを、すごく鮮明な形で見せてくれた」というのがある。『江古田ちゃん』の面白さの核も、これだったのかなって考えたりした。
瀧波ユカリ先生の次回作に期待!←ジャンプ風
瀧波先生は次回作どうするんだろう。4コマじゃなくてストーリーもの描きたくなったとか。だとしたら『江古田ちゃん』でストーリー漫画読んでみたい気もする。あるいは止めた年齢(24歳)を進めてみるのもありかもしれない。作者は結婚したみたいだから、ママになった江古田ちゃんとかね。最後のは違和感あるかもしれないけど。
イメトレで生んだ子なんて、たまに思い出すくらい印象に残ってる。強烈な漫画だった。
最後に、最終巻で特に好きだった一編から2コマ切り取って載せたい。この2人って女の子できないおっさんだったけど、おっさんにもできない女同士の友情を見せてくれてた。
またどこかで。
あずまんが大王 全3巻 完結セット (少年サンデーコミックススペシャル)
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