僕だってこれまでずっと、息苦しさを感じて生きてきた。けど我慢できた。だって、自分には成さなきゃいけないことがあったから。
何かが首を絞めてくるような気がしていた。解こうとしても解けなくて、それはよりキツく首に絡みついた。けど、それでも僕は首の皮に爪をめり込ませて、引き離した。引き離さないわけにはいかなかった。だって、やらなきゃいけないことが自分にはあるんだから。
みんなが僕のことを見てきた。顔を上げることができなかった。地面を見つめて生きてきた。いつか復讐してやる。どうやって殺してやろうか。考える時だけ広角が上がった。イヤフォンを耳に当てて頭を振った。
首の椎間板が飛び出た。当たり前だだと思った。四六時中首を掻きむしって、地面を見つめて生きてきたんだから。15年そうしてれば、だれだって何かが飛び出る。許せないと思った。こんな目に合わせやがって。絶対許さない。僕が一番好きだったのに。
今じゃゴミだ。天才だと思ってた。公衆電話から電話した。全力でペダルを漕いだ。それは夢かと思った。自分ならできると感じた。絶対に残すと思った。なるべく沢山の人を楽しませたいと思った。
なるべく沢山の人を楽しませたいと思った。キミだってそう思ってたんだろ? 今じゃどうだ、守るものができた? ふざけやがって! 死ね!弱虫野郎! 僕は、お前のことを絶対許さないからな! 許さないからな!
どしゃ降りの中、金属バットを握った少年が言う。俺は、ごめんと言いながら泣いた。