結婚式はしなくてもいいけど、ウエディングドレスは着たい
前提として、俺は普通の異性愛者の男です。特別女っぽい仕草をするでもないし、声の高さも標準的だと思う。けどなんでしょ、ウエディングドレスは着たい。
この願望がいつ頃からあったか分からない。けど多分子供の頃からずっとあって、それは変身願望みたいなものの一つの形体なんじゃないかと思っている。
結婚式は大変そうだからあんまりしたくない。てかそんな予定もないし結婚願望自体あるのかどうか微妙だけど、ウエディングドレスは着たいんだよね。ほら、俺、魔法少女になりたかったタイプのおっさんだから。魔法少女になって、悪の手からみんなを守りたかった。hitujyuhin.hateblo.jp
けど分かるじゃん。僕もバカじゃないですから、自分が魔法少女に成れないというのはハタチそこそこで気がついてた。そりゃ辛かったよ、「ああ、なれないんだ」って分かった時は、ぬいぐるみのポコタを壁に投げつけたりもした。鏡に映る自分は異常にガタイがいいし、そんな世界線で生きていたくないと思った。
でも、それでも続いていくじゃん、人生って続いていくでしょ?夢が叶わなかったからって、そこで終わりにはならない。そこで終わらすのは逃げだし、自分勝手すぎるし、すごくカッコ悪いと今は思う。ソラニンの種田のように逝ってしまうのは、決して綺麗でも潔くも美化されるべきものでもない。
- 作者: 浅野いにお
- 出版社/メーカー: 小学館
- 発売日: 2005/12/05
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というか、「死」それ自体はつらくはない。死に至るまでの苦しみを思って、人は「死にたくない」と考えるのだろう。だからその最中にいる人や、目先に死がぶら下がっていなくとも、同様の地獄にいる人は「死にたい」「死のう」と考える。その渦中にいないのに死を選ぶのは逃げだ。
逃げだとしても、自分の生に意味を失ってしまったとしたらどうか。この為に生きているという己の中の何かが無くなってしまったら、その後の生に意味はあるのか。でもきっと、その何かに変わる別な何かが自然に形成される。その何かの為に、今度は生きようとなる。「まあ生きてやるか」だったり「死ななくてもいっか」できっといい。
俺は魔法少女にはなれなかったけど、変身の機会はまだあると思っている。地を這うように生きている中で、ウエディングドレスは白い光だ。あれを纏った時に俺は、このくそみたいな身体を投げ捨てることができる。
× × × × ×
途中に死についての拙い考察を挟んだら、自分の中でややシリアスな空気感になってしまった。ウエディングドレスについてはまあ3割方冗談だけど、多くの女性が着たいとするその気持ちはとても良くわかる。
だからコスプレについてもああいうのを楽しむ人たちの気持ちは分かる。なんでこんなこと書き出したか自分で分かってなかったけど、今日ハロウィンだからだわ。さっきスーパーで半額になったカボチャのサラダみたいの買ってきて食ったよ。