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うちの母はUFOに連れ去られたことがあると言っていた

 はてなの「今週のお題「これ、うちのおかんだけ?」に向けて書くのだけど、父の実家に嫁いでくる際、山を越えてくるときにうちの母はUFOと遭遇したらしい。そんでUFOの中に連れて行かれて、腕に宇宙人のタマゴを植え付けられたと言っていた。
母の右腕かな、そこには確かに出来物があって、小学生の頃、たまにそれを見せては僕と妹に言ってきた。

「ここにはあんた達の真ん中の子が宿ってるの」。

いま考えると真ん中の子ってのが違和感あるのだけど、真顔でそれを言ってくるから幼い僕と妹は「マジか」という気持ちになって、真剣に耳をかたむけていた気がする。僕は小学校でその話を同級生にしたところ、「お前の母ちゃん宇宙人〜!」とからかわれるに至り、「違う!うちの母ちゃんじゃなくて、うちの母ちゃんの腕に宇宙人がいるんだ!」とけっこうムキになって反論していた。

うちの母はそういうところがある。なんていうんすかね、オカルトというかスピリチュアルな体験をアピールしてくることがあって、眉つばなのだけど嘘をつくようなタイプでは無いからよくわかんねーなと思っていた。だけどある日、母が湯飲みに注いでいた急須の取っ手が突然ポキっと折れることがあった。母は「やあね、不吉ね」なんて言っていたのだけど、その後間もなく親戚から電話がかかってきて、それは闘病していた叔父さんが亡くなったという知らせだった。母にはそういうところがあった。

うちの母の実家はとある新興宗教の分館みたいなことになっていて、朝と夜は20畳くらいの部屋で太鼓を叩きながら神様に祈りを捧げることが日課だった。僕もたまに行くと変な和服を着せられて3人の神様にお祈りをさせられていた。

母は火の玉のようなものを見ることもたまにあった。「多分あれは魂だと思う」と嫌そうに言っていた。僕にはそういう感受性が一切無いのでこれもよくわからなかったのだけど、母は何度か自殺死体を見つけてきた。見つけた後しばらくブルーになっている母を、僕と妹はワーキャー言いながら励ましていた。

確率の問題だと思うから、壊れにくい物が壊れることはあるし、見つけたく無い物を見つけてしまうことだってあるんだと思う。だけどUFOはなんだったのだろう、今でもあれはよくわからない。

こういう書き方すると母も亡くなったように取られちゃうかもだけど、うちの母ちゃんは健在だ。悪性リンパ腫だかで入院したものの、治って今はピンピンしている。

腕の出来物の件はいまいち分からないけど、僕と妹の間にはもう一人子供がいたらしい。お腹の中で死んでしまったということを、だいぶ後になって誰かに聞いた。

ちなみにうちの父は元ボディビルダーだったりする。ボディビルダーの父と、UFOに連れ去られた経験を持つ母。その二人の組み合わせの中、自分はわりと普通に育ったなと思う。