2014年、漫画ベスト10
開設して4ヶ月。雑多なことを書き綴っていますが、漫画評ブログになる予定だった当ブログです。年末ですし、個人的年間ベストをやっておこうと思います。時期的にこの手の企画インフレ起こしてる感ありますけど。さらっと10作だけ。
- 『スピリットサークル』水上悟志 既刊4巻
- 『ちーちゃんはちょっと足りない』阿部共実 全1巻
- 『悪の華』押見修造 全11巻
- 『3月のライオン』羽海野チカ 既刊10巻
- 『僕のヒーローアカデミア』堀越耕平 既刊1巻
- 『どうぶつの国』雷句誠 全14巻
- 『臨死!!江古田ちゃん』瀧波ユカリ 全8巻
- 『東京タラレバ娘』東村アキコ 既刊1巻
- 『ギガントマキア』三浦建太郎 全1巻
- 『重版出来』松田 奈緒子 既刊4巻
2014年に新刊が出た漫画の中から、単巻やまだ巻数の少ない、あるいは完結した作品を中心に選んでいます。例外で『3月のライオン』が入りました。
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バトル基本無いし分かりやすくラブコメもしてないけど、図抜けたものを感じる作品。
輪廻転生がテーマ。何度もの過去生を追体験しては、死んで今の自分に戻る。その繰り返しで、少しずつパズルが組み上がっていく。ある過去生での伏線が別な過去生で回収されたり。
最初の過去生後に「あと7回死んでもらうわよ」という台詞があったから、まあ8回の過去生は交錯するんだろう。
最新4巻はスピリチュアル設定にSFが加わって、この巻から入っても楽しめる内容だった。伏線回収あるから順追った方が尚良いけど。
「この漫画がすごい!」の50位以内にも「このマンガを読め!」の40位以内にも入ってないのが意味わからない。地味なんですかね。
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このブログの最初の記事が、この漫画についてでした。
しばらく経って「このマンガがすごい!」のオンナ編で1位を獲ったのもあって、検索から割と色んな人に読んで貰えたみたい。詳細はそちら目を通してもらえたら。ネタバレ記事なんですけどね…。まあネタバレなんて関係ない作品ではあるけど。
『死にたくなるくらいしょうもない日々が 死にたくなるくらいしょうもなくて 死ぬほど死にたくない日々①』についても、メモ程度ですが一応記事書いてます。
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完結。中学生編の救いの無さ・背徳のエロにどハマりした人には高校生編ってぬるく感じたのかもだけど、僕は嫌いじゃなかった。空っぽになった後の変化と収まりどころまで描いたのは誠実だし、最終巻の鮮やかさは近年味わったことのないそれだった。
だけど、最後の佐和視点のループ。本当に彼女は……いや、この話はよそう。
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桐山君、ある意味覚醒の巻ということで。
あの日々から抜け出たひなたさんのハピネスが弾けまくる巻冒頭なんですけど、「なんて可愛らしい雰囲気を作品に纏わせられる作家なんだ羽海野チカは!」と改めて思ったわけです。で、要素について考えたのだけど、まあ擬音はあるよなと。「にぱあーっっっ」「ふりふり」「ぴよー」とか、連発だから。いずれ表情や動きに合わせてこういう効果音が鳴るアプリとか出てきたら楽しいなとか、どうでもいいことを考えました。
川本家父の咬ませ犬っぷりが気になったけど、あの人は桐山君覚醒の為の人身御供だったんですかね。それともさらなるクズっぷりを見せてくれるのか。
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1人だけ絵柄の違う最強のヒーローとか、変なこともしてるのに懐かしくもあるという。
バトルの設定やキーワードの組み込み方は『ワールドトリガー』が上手すぎるけど、同じ変身ヒーローものとして、こちらはより少年漫画の王道だ。
まだ1巻しか出てないから今後の展開次第だけど、看板が似合う漫画だとは思う。
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完結。様々な動物の声が理解出来てしまう人間の子・タロウザが、肉食・草食問わず全ての動物が幸せになれる世界を求め、苦悩し行動する物語。
育ての親(タヌキ)・モノコとのそれや、命をかけたキリトビ(イタチ)の鮮烈など、記憶に残るシーンも多くあった。
『金色のガッシュ!!』はまとめ読みだったけど、この作品はリアルタイムで追いかけたこともあって思い入れある。
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この漫画の完結で、集めている4コマ漫画が何も無くなってしまった。手元にある4コマ漫画は『臨死!!江古田ちゃん』と『あずまんが大王』です。
この作品についても以前に別途記事書いてるんでよかったら。
究極の自虐漫画、瀧波ユカリ『臨死!!江古田ちゃん』が終わった - 必需品ブログ
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「このマンガがすごい!」オンナ編第2位作品。この漫画についても以前に記事を書いていたので、のちに検索からアクセスが増えました。詳細はそちらを。東村漫画の中でも挑戦的な印象を受ける作品です。
東村アキコが『東京タラレバ娘』で踏み込んだタブーについて - 必需品ブログ
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正直こんなに面白いと思わなかった。まあ『ベルセルク』の作者がつまらない漫画描くわけないという気もするけど、あの大長編からは単巻の秀作ってイメージしにくかった。
良いですよこの漫画。プロレスとか幼女のおしっこ以外のところでも『ベルセルク』じゃ出来ないこと・言えないこと描こうとしたの分かるし。
描き込みだけ見つめても楽しめるのはさすがの三浦建太郎クォリティです。
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女性編集者が主人公の仕事漫画として『働きマン』と比較してしまう自分がいたけど、この漫画は読んでも「仕事したい」とはならない。『働きマン』には読むと働きたくなるという、自己啓発本的な要素があった。
あの漫画のカッコよさとか上昇志向な感じって『重版出来』には無いけど、内に入る暗さだったり挫折はこの漫画の方が読み応えある。
同じ仕事漫画でもこの作品は「漫画」という仕事に特化した仕事漫画だし、作者の情念みたいなものが籠ってるのかもしれないですね。
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過去の名作をまとめ読むことが多いんですけど、こういうブログも始めたわけだし来年はもっとマイナーな新刊もカバーしていけたらと思っとります。