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もう光あたっちゃったね

私が当ててあげようと思ってたんだよ? でももうあたっちゃったね。
嬉しくないのかって? なんで? 嬉しくないよ、そういうのじゃないし。
私があてたかったの。私が輝かせたかったの。私が覗くファインダーの中でだけ光ってたらそれでよかったのに、なに。
あのおんな超むかつく。何勝手にスポットライト当ててんの、でなんでキミ拒否らないの?
私じゃなくてもよかったんでしょ、だってそうじゃん、嬉しそうな顔してたよね。何あれ、ああいうこと言われるの嫌だって言ってたじゃん。
は? そりゃいたけど、なに、お客さんの前だとああいう扱いされてもニヤニヤして許しちゃうタイプだったんだキミ。なんか、ダサいね、それダサいと思う。
ごめんってなに? ねえ、なんで謝るの? 謝る必要ないじゃん、だってやりたかったんでしょ? 掴んだチャンスじゃん、そりゃ掴むよね。私だって掴むと思うよ。でもね、それ私が差し出したかったの。
私が差し出したかったの! 私の手でキミのこと輝かせたかったの! そうじゃなきゃ意味ないじゃん! なんかバカみたいじゃん! ずっと追いかけてたのに! ずっと私が見てきたのに!
もう光あたっちゃったね。だから、いいかな。
私? 私は次だよ。また探すし。それでもっと、磨きがいある子見つけるから。私が絶対輝かせるんだから。

靴磨きの本

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