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SF創作講座第四期、第二回課題「“あつい”と感じる話」全実作メモ

読んでいて“あつい”と感じるお話を書いてください – 超・SF作家育成サイト

表題の通りです。
今年一年はSF強化年間ということで、こういうものに参加しています。みなさんは参加していますか?

なんとなくやろうとおもったのでやります。読んでいる間に思ったり考えたことの羅列や、良いと感じたフレーズなどのメモです。一応最後に簡単に感想も添えます。もっとしっかりした指摘は、ダールグレンラジオやツイッターやブログやnoteの有志から得てください。これはほぼ、読んでいる間の俺のインプット過程を晒す行為です。

提出された実作(2卍程度の短編小説)の数が多いため、読んでいる時の俺のテンションとか空腹状態に波があり、メモの書き方に一貫性はありません。
また、各人の作品に対するメモは長かったり短かったりするかもしれませんが、それと読んでいての面白さは比例しません。
そして、完全に利己でやっています。誰かのためにみたいな気持ちはないので、「ああ、これは誰かのためにみたいな気持ちのない文字列なんだな」という気持ちで対峙してください。順不同です。

炎情/ひろきち
・偏差値を聞いて「偏差値ってなんです?」という答えが決め手に。
・”格ゲーのキャラ以外ありえ無い風貌”
・”殺されかけたことはあっても、裏切られたことはないからな”
・”聞こうとすると、変なキャラぶれがおこり面倒くさいので”
・”慎二はそう呟くと、ストーブを囲っている木の柵を壊し始めた”
→大谷プログラムの際には、ストーリーテリングとは無縁な人かと思っていたが書ける人なのかよ
→サウナ、清原(笑) サウナバトル(笑)
→いや、まじでサウナバトルものなのか?
→関係ないが、俺のオヤジは昔ボディビルをやっていて、五厘刈りで冗談みたいなイカツイ顔面をしていたのだが、大衆浴場で拳銃を売りつけられたことがある
→龍の刺青の話が出てくるので書くが、以前話す機会のあった漫画描きの人、上京してきた当初は彫り師になりたかったらしいが人の肌に針棒で手彫りするのが怖くて出来ず、彫り師の漫画描いて投稿したら受賞して漫画家になった。
・”例えるなら、星のカービーの色が一番近い”
→クライマックス手前、爆発。
→最後は兄弟分の敵討ちというか復讐劇になるのかと思ったけど違った。サウナのあれとの友情というか契りがアツすぎて、復讐劇の方がしっくりくる気もするが、ヤーさんの世界は私には分からないれす
◇サウナバトルおもろいな、サウナバトルが面白いという気づきがあった。護摩行と合わせて面白く、もうそういう競技が公式にあるという世界観なら、それはSFな気もする。大食いバトルがこれだけ人気なんだから、そういう世界線があっても良い。SF(サウナファン)を感じた。水風呂もほしい。水風呂はご馳走。

恋/よよ
・多くのオスを束ねるメス(郊外かアピール文より
・火星で雨乞いは出来無い(郊外かアピール文より
・(語尾)なのだった
・景観描写にボリューム。舞台が地球外なのでやはり
・「僕はホボス。よろしく頼むよ」←わりとこの台詞だけで、ホボスはこういう自己紹介をする子なんだ、というのが伝わる、あるいは伝わってしまう。
→そういや講座の最初にやるはずだった1分の自己紹介、完全に流れたな。がっつり考えて紙に打ち出してのぞんだのに
・ひんやりとした文体
・ホボス、ディモと「水を交換」するシーン。
・”ディモの身体のにおいを含んだ水分を味わい”
・巣穴を作る生物。この惑星では人のような生物(描写見逃した?)は巣穴を作り、そこに住まう
マルス、ホボスの妹
・ディモの背中に2つの球体。それを見て恥ずかしがってホボスがその場を離れる
→この後、世界の設定の説明が入る。丁度よいタイミングだが、そのまま世界観がかわる。これが夢の突入?
→長老だれだ、ホボス?
・”種の存続を果たすのだ”
→山をのぼる。アクション。水分が生命線。
→終盤、雪が降ってるが、それだと水分の重要性が弱まる? 少しわかりズラい
→クライマックス、口づけ、これは水の交換とは別な、唇と唇を重ね合わせる行為に読めるけど、前半部の「水の交換」の方が尊い
→最後、我が子とのやりとり良い
◇ひんやりした文体でSFっぽく、シーンずつで読めば面白い。淡い恋な印象の前半部と、世界との対決な後半部。切り替わりがものすごく急。もうちょっとなめらかにするか、季節(夢への突入?)でこうも変わることをなんか説明が必要な気がする。ひんやり感のある文体と水を交換するシーンが良かった。

着ぐるみテロ/岩森央
・水色のオオカミ、名はムームー。
・着ぐるみテロ ←キャッチー。良い。
・報告形式で物語が進む?
→関係無いが、20歳の時に地元の成人式、町のマスコットキャラの着ぐるみ着て参加しようとしたんだけど、親に本気で止められて断念したんだよな。あれ俺間違ってなかったと思う
・”本日の不衛生度は並です。” ←おもろい
・着ぐるみテロ、順調
・”「愛してるわ。」「愛してるよ。」” ←どうとる? 台詞のやり取りとしては最悪なんだけど、状況をシュールにするためには優秀というやりとり。
・着ぐるみテロ →強制的な整形!
・語尾”でした”だと、シリアスなことも少し可愛くなってしまう
◇「着ぐるみテロ」という言葉がこれだけキャッチーなので、キャラクタ小説的になるのかなと思っていたけど、すごくSFをやろうという意識を感じられて、そういう感慨があった。報告形式は情動を呼び起こすのには向か無いんだろうなきっと。この梗概というか、アイデアほしい。梗概に謎の魅力があるので、実作に言及する人の言葉が長くなるタイプの作品な気はする

藍銅ツバメ/蛇女の舌の熱さを
・読み出し、主人公の印象が梗概と違う。こっちの方が良い
・小説で映像の伝え方はこうすりゃいいのかみたいな学びがある
見世物小屋、蛇女 ←俺の考えるセンスオブワンダーは宇宙とか未来ではなく新しいと感じるアイデアなので、これは題材として新しく、ならばSFでは無いがセンスオブワンダーが有るとは感じる
・ベタな言い回しだが、「行って、帰ってくる」物語。変化なり成長はどうか
・蛇を頭から食っていくシーン、描写がエロティック、かつ奇怪
・あっちの世界にいく際の、門番を担うのはイボがぶら下がったおっさん。自分ならきっと、これを男児とか女児にする
・”だって、あまりにも赤すぎて。部屋も、蛇女の着物も唇も赤すぎて、考えがまとまらない”
・向こう側で、蛇になる。”食べてください”。 千尋は親が食べられないように懸命に働き、翠は食べられることを願う
・例えば長編にするとして、蛇女に「食べられたい」と考える蛇になった他の男の存在とか?
・”美しさ以外の芸も技も無い翠はこれから落ちぶれていくだけ。それがわかっていてしがみつくのは美しくない” ←こういう矜持を持つ主人公だということ
→主人公が同じアラサーでも結婚とかそのあたりに触れるか触れ無いかはジャンルにもよるんだろうが、書き手の性別にもよるのか? 書き手の価値観か。いやジャンルだな
→あやしくて綺麗をやろうとしている、比較するのもなんだが、俺が今回の実作でやろうとしたのはあほっぽくて可愛い
・”証をよこせというから小指でも切り落として紐をかければいいのかと思ったら、” 
・元の世界。どう変わったかではなく、いや変わったか。呪いをもらって、これから先、その呪いを胸に、どう生きるかみたいなオープンなラスト。
◇明らかに沢山書いてきた人。今回は妖艶。この方向性で同じクォリティで5本とか書けるんなら短編集とか出せそうないきおいだが、さすがに難しい気がする。でも例えば妖怪しばりとか、そういうのならいけるのでは。

式/清水さん、オーバーヒート!
・どこまでも斜め上に思考が突っ走ってしまう系女子・清水さん(ヒューマノイド)と、凡庸にも映る男子(ただしアルカイックスマイルを放てる)による、両方ビンゴ(W一目惚れ的)な往復書簡ラブコメ
・日下部くん大学生なの? 純朴すぎない? いやいいんすけど
・日下部が普通すぎるとか鈍感すぎるといった突っ込みどころはあると思うけど、でもこれは清水さんがやばい女であることを強調するために機能している。ヒロインが一人しかいない状態であれば必ずしも鈍感にする必要は無い気もするけど
・清水さんはめちゃくちゃやばい女。俺の書いた多美もわりとやばい女だと思うけど、清水さんはヒューマノイドというエクスキューズで隠しているだけで、多美よりやばい。で、俺も多美をこさえたので分かるんだけど、清水さんのあの感じは特定状況下のこと作品の作者だというのがある。仮に、普段物静かだったとしても、ああいうキャラを作る人というのは内側にそのやばい一面を飼っている。書くものがその人だということだ(酒飲みながらこれ書いてるが、別に素面でもそう思ってる)
・”日下部くんの体......プロポーション......黄金比......”
・清水さんは神話マニア。マニアがついに信仰の対象たる存在に出会ってしまい、はわわわ言ってる話なんですよ今更ですがこれは。で、日下部君は教祖だという自覚がない、だって教祖じゃないんだから。両方ビンゴだけどそういう温度感の違いがある
→海のシーン。俺も親父がボディビルやってた関係でその身体を世に問いたいうちの親父によって子供の頃よく海に連れて行かれたんだが、気づいたら流されてたことあって、レスキューの人に助けてもらったんだよな2回。海はこわいよ
・信仰の対象だった日下部が、恋愛の対象に落ち着く。と思いきや、清水さん引き続きやばい。
・清水さんは最後までやばい女
◇梗概の時点での作り込みと研磨がしっかりしているので、実作に至った際の突っ込みどころがあまりない。ゆえに、本人が望む(であろう)気持ちのいいボコられがしにくく、本人にしたら「な、なんでですか、なんで拳をふるってくれな」みたいなことになってる気がする、わからんですが。愉快で暖かく上手い。思うところはあるが、たぶん第三作目を読むとそのあたりがはっきりする気がする

稲田一声/実のところ幽霊は熱い
・「私」ではなく「あたし」
・足があるタイプの幽霊。いや、足が無いって日本の幽霊感でももう古いな
・途中だが、女性主人公の書き方が今のところとても自然。作者は男のはずだが、女だと言われても違和感無い
ドラえもんの魂みたいなもの
・”幽霊がただひとつこの世に干渉できること、それは熱を奪うこと。幽霊のからだ……霊魂? がこの世の何かと重なると、それが持っている熱を奪ってしまうんだ。意識しなくてもね”
・みそボンの例え、社会的コンセンサス低い気がする、おもろいが
・目的は復讐
・台詞のやりとり良い。
・”あたしが謝ると、慌てたようにみさご沢さんが近づいてきた。バーカウンターやテーブルを豪快に無視して、最短距離で駆け寄ってくる” ←さらっと、映像として魅力
・二人の目的(未練)はそれぞれ「復讐」と「承認欲求の充足」
→余談だが、うちの母はいわゆる見える人で、何度か自殺死体を見つけて警察に通報していた。雨の日は魂がよく見えるらしい。この物語の設定でいうと、幽霊は熱いので、熱を逃がそうと雨をあびたがるのかもしれない
・自分の得意分野で饒舌になるみさご沢さん
・炎天下の中、車中に置き去りにされた赤ちゃんの熱を奪い助けるみさご沢さん。キャラの一面の紹介であると同時に、主人公の復讐への助言も兼ねる。うまい。
・幽霊、具現
◇クライマックス、真の犯人の登場、作中のロジックの畳み掛け、熱い。そして読後感が気持ちよく無い。なんとなく嫌な気持ちで読了させることに成功している。なんとなく嫌な気持ちで今これを書いているが、面白いものを書く人の仲でも、この後味をやれる人は限られる気はする

揚羽はな/コタキナバル熱循環装置
・”温熱療法のサロン『熱狂』” 銀座本店
・帰り道で、初めて? 人称出てくる、「オレ」。千波、男だっけ? →いや、記載あった、下の名前は冬人。サロンでふたりで行くってことで、女ふたりかと勘違いしてた、なんでだ。ばかなので「チナミ」で脳内再生してた、きっと「センナミ」
・視点、夏実に切り替わる。
・”えっ。そういえば、ツアーの申込書に「信者ですか?」というチェックマークがあった。信者じゃないけど、たぶん正直に申告してたら外れること間違いなし、だと思ったので、チェックしたんだった” ←夏実は案外アホの子、あるいは危機管理シミュレーション能力低
・"参道を取り囲むジャングル自体が呼吸し、熱気をはらんでいる。吐き出された呼気は熱く湿っていて、夏海の腕に足にまとわりつく。都会の乾いた熱気の中では感じない、泥沼に引きずり込まれるような疲労感。" ←地の文の魅力
・”夏海は黙々と地下でブロックを積み上げていた” ←想定以上のアホの子
・”「千波さん。夏海さんが危ないです。地球外生命体が侵入しているとなると、おそらくは信者の精神をのっとり、都合よく操作するはず。早く見つけて助け出さないと」”
→異国が舞台ってのは他惑星が舞台みたいな感じで、景観やその土地の雰囲気や慣習を描くことで、非日常感が出やすいんだろうなきっと。
→ゾーンに入った状態っていうのを自分自身も人生で2回くらい経験したことがあって、それのうち一回は競技用自転車で下り坂で誤って70kmオーバーが出てしまった時だった。死ぬ、って思った瞬間、道路上の小石が全部見えて、どうすれば死な無いかの軌道が見えて、なんとか生き延びた。こけたけど。
・牧原との再会が案外簡単に叶ってしまった印象
・”冷静になってみれば、オペラ歌手というよりは、なんとなく女王アリの風情が漂う。それも、社会性が著しく発達したゴキブリ目のシロアリのほうだ”
・大聖堂から脱出した。←逃走劇。個人的にはもう少しのバイオレンスがほしい。 →いや、アクションのメインは小型飛行機
・”コタキナバル熱循環装置は、始動した。総本山を取り囲む熱帯雨林のあちらこちらに配置された熱気排出口が、ゆっくりと開いていった”
◇三大宗教が動いて、とかオチが好き。好み分かれそうなラストだが。バディものとして、知的な地の文とそぐわないほどアホの子だった夏実の魅力に対し、千波さんが弱いように感じた

アイトチトヒト/遠野よあけ
・パート0、るるかの紹介を、首のないカマキリという印象的なエピソードで
人工知能探求部、通称人知部。清宗先輩、ヨヨ、巡さん(おっぱい)
2045年が舞台
人工知能、チト他の解説。るるかの能力の作中2回目の発動
・”『ボレロ』は幾つもの旋律を重ねて、勇壮な音楽へと盛り上がっていく。” ←パート1、締めの一文。良い。
・”女子は落下しながら器用に校舎の壁をやんわりと蹴って、壁から2メートルほど離れた立木に全力でぶつかり、木々をゆらしながらさらに落ちて、手に持っていた傘をこれまた器用に枝にひっかけながらさらに落下し、加重が腕にかかるまでに傘を手放し、今度は背負った鞄を枝にひっかけ同じ動作を行い、鞄を手放した直後に地面にぶつかりながら前転を四度くりかえして私のすぐ横の壁にぶつかって止まった” ←すき
・ヨヨ→倉木四余。身体能力が異様に高いタイプの芸術家
・パート2、ヨヨと部長のキャラ紹介と出会いと落ちる恋に割かれる。ヨヨはなんで人知部にどうしても必要な逸材なんだっけ?
・ヨヨの失恋の描写がかわいい
・缶ビールから始まるるるかとヨヨの会話 →るるかが部でなぜ重宝がられるか →”熱”について
・パート4へ。巡さんのラスボス感
・生徒部がここにきて初出、たぶん。「生徒部に見つかってはいけない」がもしこの後大きく物語に関与するんなら、布石を早い段階で撒いとく必要はあるがどうだ ←関与しなそう
・部長と巡さんが倒れているところから始まるシーン、会話文面白いが、ここは早めにアクション的な何かに入ってしまった方がいいきがするがどうだ、クライマックス手前だが空気感がゆったり
◇るるかとヨヨのWヒロイン(2人とも友達いない)って、なんか漫才師がふたりともメガネみたいな感じでよく、魅力はあった。でも序盤〜中盤のヨヨの魅力が終盤失速した感がある。ふたりでチトのイメージの中に入るとか、そういう展開だと違ったのかもしれない。

SUN-X/宇露 倫
・プロローグ、テンション高い導入
・水星外気圏外(スタート) →盆地(レース前) →中継衛星〈マーズ〉 →基地(レース前、長く割かれる) →星間宇宙(メイン、長く割かれる) →医療コロニー
・”「うっせぇ化け猫……ライフセーバーだったら代わりにやれよ」”
・程よく硬派な文体、硬派な印象の主人公。猫でバランス
・SFなワード多発するが、読みにくくない。
・”擱坐”なんて単語、きっとSFがっつり読んでる人じゃないと出てこなくないですか? 俺が漢字弱いだけってことはないでしょきっと
・灼熱と磁気嵐が部屋を包み、Ⅲへ
・”どうやら、お天道さまもこのレースを盛りあげてくれそうだっ!”
・案外なかなかマシーンが発進しない、過去と現在を行き来
・短編だと、そろそろライバルとの競争とかが欲しい気も。どのフェーズに注力するかにそりゃよるんだろうが
・”刹那、映像がフラッシュする。”
・”「ジェイク・”ゴーレンリウス”・オウカ……貴方の未来は、擱座しました」”
◇知的で硬派なカッコイイSF(猫でバランス←かわいい成分)な印象。アホっぽくて愉快なかわいい、をやろうとした今回の自分とは対局。俺はカッコイイの感性が極端に弱いので、この作品にコメントすべきは明らかに俺ではないけど、このスケール感とレースを題材にむずかしい(と自分は感じる)ことやってるのすごい

太陽を呑んだ男/武見 倉森
・梗概が超おもろい、これを実作で再現できたら
・”母乳のみを是としグルメ家をきどるような態度でそれを求めた”
・”金沢の寿司屋に行ったときのことである。ほのかに冷たいネタと適度に温かいシャリを同時に口へ放りこみ衝撃を受けた。口のなかで寒暖差が起こりそれは味以上の情報量を持っているように感じられた。口に両者が入った状態で軽く空気を吸いこむと香りが立った。めちゃくちゃ美味しかった。酒を入れてもいないのに酩酊状態で店を出て路上に立ったときに軽く千鳥足になった。これがイゾーが狂う原因となった” ←うける
・”動画を撮って始めたばかりのSNSに投稿し始めたのも” ←完全に1980年代くらいだと思って読んでた
・” 寒暖差モンスター”
→この書き方なら俺の第一回のハムスターも書けたのか? いや
・”下北沢あたりに居を構えた。下北沢はもともと第二次大戦後に闇市が栄えた地域でありどこか怪しい雰囲気が漂っている。個人的には歌舞伎町を歩くよりもよっぽど緊張します。とは誰かの言葉である” ←適当でよき
→これこそ本当に全然関係ないんだが、ちょっと前幼馴染が電話してきて、高校の友達の旦那が浮気してて、その浮気相手が友達の実家(寿司屋)に怪文書を送った、みたいな話を2時間くらい聞かされた。終盤は「私は顔セレって呼ばれる部署にいたから〜」とか言い出して、なんだよ顔セレって聞いたら、「顔セレクション」のことらしい。わりと嫌な気持ちになった
・”彼は巨人になった。超硬合金ガイア・チタニウム製の全長二十メートル超の巨人である。だがそれと同時に彼は意識を完全に失ったとされる。意思の疎通が不能になったのだという”
◇他と比べ短い物語なのにまあまあ引用してしまった。これが『バカSF』ってやつですか、なるほど。完全にすきですが、梗概の方が面白いというのはある。最後の段落、あの段落で6.000字書いてほしいし、その後の展開でさらに6.000字やってほしい。

神さびた黴/村木 言
・”それに見よ。奴の瞳ときたら曇りなき諦観に満ち切っているではないか”
・今んとこやたら引き込まれるが、この作品に対して俺みたいなギャグ漫画の人がコメントするの、ハードなSFに対してよりむずかしいな
・”その細やかな笑みを一目見た瞬間、直本は何と見目麗しくも可愛らしい娘であろうかと思わず嘆息した。珠のように白く透き通った柔肌に黒々として光輝く両の瞳、酒殿を満たす温みに当てられてか火照ってほんのりと紅が差した頬を上下させながら息を少しく荒げている。その類稀な姿形は歴代の帝に仕えた数多の采女うねめらの誰にも決して引けを取らないのではないかと思われるほどだった” ←個人的にイケメンとか美女の容姿を丁寧に描写することに抵抗があるんだが、描く時代と使う言葉が違うとはいえ、必要だなとこれ読んで思った。
・普段読まない文語体だが、どう考えても文章力がとても高い。どういう人が書いてんだこれ
・”四生の盲者は盲なることを識らず 生まれ生まれ生まれ生まれて生しようの始めに暗く 死に死に死に死んで死の終りに冥くらし”
・”「それはそうであろう。今朕が語り聞かせた物語は、全て其方自身がこれより再び体験することになる未来の出来事であるのだから。”
・”「こんにちは、この姿ではお初にお目にかかります。朕はこの地球文明で分かりやすく言い表すのであれば〈高次存在〉と呼ばれ得るものでして、こうして遥々地球という星に赴いたのには深い訳があるのです。」「訳だと!?」「そう、朕の種族は他の星々の知的生命が築き上げる文明の命脈を喰らい命を繋いでいるのです。しかしながら、最近になってめっきり飯にありつくことの出来る狩場は少なくなってしまいました。今ではこんな辺境の星の辺境の文明にまで手を出さなければならない有様なのです。朕は見ての通りこの種族の中でも未だ幼体でして詰まるところ育ち盛りなわけです。」” ←なんか封神演義(漫画の方)思い出した。現代が舞台で一人称「朕」のキャラ面白そう。
・”空をまるごと覆わんとする巨大で複雑な立体曼荼羅を恍惚な表情を浮かべながら眺めた。 ←UFOの描写ですよこれが
・「あれはまずい。まさかかように野蛮な世界にあってあれ程美しくも強大な力を行使し得る方途があろうとは夢にも思わなかった。文明識閾下の配列操作を目的とした数理術式、多次元にわたる情報圧縮結合技術。” 
・”其方は文明の火が消え入りそうになった時、そっと薪を足し息を吹きかけそれの火の番を行う役目を背負ってくれるだけでよいのです。”
・”我らは誓おう。我ら自身永劫の時をもってあの悪鬼羅刹らにとっての毒となり呪いとならんことを。決して飼い慣らされてなるものか。我らは“あれ”らにとっての荒ぶる神仏となりていつの日か必ずや跡形も残らず滅してみせようぞ!”
◇すげーということは分かるんだが、このすげーを説明するのにはもう一回読む必要がある気がする。高次存在って俺は水上悟志の漫画でしかその言葉を知らないんだけど、水上作品ではそれを『星霊』と称していたんだよね。星霊というと、実は地球の中心には2匹のハムスターがいて回し車を回すことで地球を自転させているのだけど、彼らは星霊という設定なんですよね。つまり、作中で「朕」と名乗る存在とハム子は同一人物です(何言ってんだ)

夕焼けバニーホップ/一徳 元就
・”各々何となく個性など纏いながら”
・”「やばい感ある」「できればこのまま消えてほしい」”
・”顔はそれなりに酸いも甘いも嗜んだような中年男性の表情を浮かべている。” ←こういう天使たちの前に5歳の少女が現れて「げ、まじ天使」みたいな?
・「迷子になったのはあたし? それともあなたたち?」
・”メガでっかい駐車場”
◇「迷子になったのはあたし? それともあなたたち?」で、カメラがぶわっと回転して、カラスがカーカー鳴く団地みたいなとこに世界が切り替わる。その後イメージの連続を詩的に放ち、もう一度少女が現れ、問う。「迷子になったのはあたし? それともあなたたち?」 世界観の提示としては好きかもしれない。俺もBMXやってて、フラットランドだけどやってて、くるくる回っていた。

縮退宇宙/宇部詠一
・俺は「ビッククランチ 検索」から始める読者だというのがまず
・一行目、「どうしても行くつもりなの?」 ←これはよい気がする
・最初の段落、母と娘の会話なのだが、母娘の紹介をやる上で優秀な気もするが、俺のようなSF語彙の読者は射程に入りずらい
・2、3、4段落、宇宙船の中でジルベルトとオデットの会話に割かれる。
・”この夢から現実へ以降の滑らかさは、それこそ現実離れしている。”
・5、ビッククランチがおこり、シミュレーション空間の中。母との再会
・”「ジルベルト、そうじゃなくて。ああ、あなたに許してもらえないんじゃないかって気がする。そう確信してるの」” ←俺はジルベルトと違い、こういうもってまわった言い回しわりとすき
・”「私の仕事は、あなたの利益を最大化することですから」”
・ビックリップ ←局所的な
・”エンジンは始動する。法則がゆがむ。回転数が極限へと至る。時空を捻じ曲げ、別の宇宙からも質量とエネルギーを奪う。無数の平行宇宙から、影響が出ないように少しずつ。ついにアルベルチーヌは目撃する。その機械の眼で。パラボラアンテナの耳で。ナノマシンからなる名前のない感覚で。”
・7段落以降、急に読みやすくなった、なんでだろ
アカシックレコードへの到達? 的描写ののちの、急スピードな時空間拡大
◇ものすごく大きな規模の父と息子のバトルってすぐ思いつくけど、母と娘の物語だと少ない気がする。母娘だとやっぱ女性神話ってかおとぎ話的なのが多い。登場するジルベルト、アルベルチーノ、オデットの3者が3者ともかしこなので、個人的にはスレイヤーズのガウリィみたいな「何それ?(ぽかーん)」なキャラクタがいると解説入って読みやすい気はする。まあリーチする読者のSF語彙をあらかじめ高いとこに設定した作品なのかもだが。あと個人的に思うのは、ハードSFを書くこと以上に母親の娘に対する呪いを男が書くの難しそうってこと。きっと超むずい

ネコの夏と冬/宿禰
・”「ネコじゃないから、ネコってつけたのよねえ」” にゃご〜ん
・”ミナコのネコ、は、生物名としてはヴィゴと呼ばれる。非常にネコに似た生き物であるが、変温動物である。”
・ネコ、太りだす
・オオカミ送り、というイベント
・4人乗りドローン
・自宅の温度が高くなるトラブル →ネコ、痩せる(暑いと一気に痩せる?)
・”「猫の真似をする、死なない生き物か、、、怖くない?」”
・”ミナコは、ヴィゴが分裂することを完全に忘れていた。”
・”ヒロシがかなり嫌がっているのはわかった。「調べたんだ」「何をよ」ヴィゴである。” ←リズムが良いので引用なのだが、他作での引用とは異なり、言及したいポイントが一つ。旧女言葉「何をよ」である。語尾「なのよ」はさ、なんかもう古い見たく言われてるじゃん、でも男な感じの語尾で「だぜ」とかさ、そりゃ古いけど別に使ってもいいじゃんか、ほら、この「じゃん」とかも古いけど、言うでしょ、書き言葉だと言うのよ。だいたいしょうもないんですよ、「だわ」とか「かしら」が違和感みたいの。だって俺おっさんだけど必要に応じて使うもん。必要があればね、使えばいいの。やめよ、男女同じ言葉遣いみたいの。多少違うから。差別じゃ無いから、書きわけだから。記号的書きわけもあるじゃんか、キャラだから。ジェンダー問題とかきにする必要ないんですよ、いろいろいるんだから。キャラの書きわけなんですよ、語尾は大切です。記号的書きわけ。
・一匹だけ大きなネコ、犬のようにハァハァ。
・ミナコのちょこちょこ絡んでた職業ラインのプロットがオチに生きる。「そっちでそう落ちるんかい」ってやつです。俺はシンパシーを感じました。
◇猫に似た、ネコと名付けた地球外生体と暮らす、一見牧歌的な物語。「ネコ」の存在がそこにある以外は、「オオカミ送り」があるとはいえ、現代の人間ドラマを主題にした邦画を観ているような、そういう空気感。だからこそなのかもしれないけど、こういう感じでいいというか、こういう感じが正解なのかもと思った。俺もハムスター〜の実作を書こうとした時、ヒニョラという猫の見た目で尻尾をふって舌を出し「ヒニョラ」と鳴くドッキングペットを思いつきました。ただ思いついただけで、こういう物語に昇華できるイメージは全くなかったです。良かったです。

炎鬼 太陽脱出デスゲーム/九きゅあ
・デジタルの使い方を知ってしまった何かによる呪い
・荷物を捨てる仕事のために太陽に接近 ←おもろ
・二機だけの脱出ポット、そこにいる人数は4人
・衛星には強力な武器が落ちていることもある ←ほう。じゃあそれを拾いながら戦っていくの? 短編でできる?
・”といってもこの地に日照時間の概念はない、何せその日照の元に今我々はいるのだから。”
・”直後に「やばい、追ってきてる」と発してほしくない台詞を叫んだ”
・太陽のお祓い
・時が少し遡っての段落、炎鬼の謎の開示としては少し早い気もするがどうか
・燃える双剣を手にした炎鬼はビジュアル的に魅力があるのだが、再度の炎鬼との対峙、労なくやり過ごせてしまい盛り上がりが。炎鬼は巨人なのよねえ??
・ラスト2行良い
◇短編でやるには要素が多すぎた感、梗概の時点で言われてたことかもしれんが。処分困難品を捨てに太陽に近づくってのはよくある設定かもしれないけど面白いし、そこで対峙する炎鬼のビジュアルも魅力がある、読んでて巨人感が描写されてないように感じたけども。実はその裏で陰謀が渦巻いていて真犯人がいるミステリー仕立てよりも、シンプルに炎鬼から逃げるサスペンスな物語で短編だとよかった気はした。作者がやりたいことはそうじゃないだろうからむずかしいですが。

テルミドール/渡邉 清文
・「テルミドール」で検索すると「伊勢海老のテルミドール」が出てくる、テルミドールとは ←フランス革命暦の11月のことらしい
・冒頭が説明的に感じる。いや説明で良いのだけど、映像が頭に流れないタイプの説明なので、個人的には導入で工夫が必要に感じる
・”滞在可能期間は近日点最接近前後の百日、熱月の期間のみ”
・”この〈エクスペリエンス〉の中では、用意されたストーリーに従っていても、自分の意思で選択したと考えられるようになっているらしい。”
・地の文と台詞のバランスが良い印象。
・”「そして、わたしは夏と冬の繰り返しによって自分と他者が攪拌されるのではない、別世界で生きることを望みました。この惑星の公転周期と遺伝子によって決められたのではない、世界で生きてたいと考えたのです。これはもう願望などではありません。冬に他のものと一つになりたいと思う本能と同様の渇望と言っていい」”
◇SF読書量を感じる設定の作り込みだったり展開に魅力を感じた反面、読み出して早い段階で入る段落変えての「テルミドール」の説明がちょっとしんどい。作品にのめりこんでからならまとまった説明文オンリーも楽しめたりするんですが。あとは俺はキャラおじさんなので、キャラクタでも楽しませてほしいという気持ちがあります。

泡が生まれる/泡海 陽宇
→なるべく梗概読まないで実作だけで理解しようとしてるんだけど、この作品は実作より本文の方が短いので、梗概含めて
・”ハイブリットガラスでもあるため繊細な性格と正比例してますます綺麗な姿へと彼の目には映る”
◇梗概が詩よりのショートショートとしてわりと完成していて、これを伸ばしても薄まるだけな感じがする。実際、本文で小説をやろうと台詞から始めた結果、薄まってる。やろうと思えば、梗概の「日常→どこかに潜る→元の日常に戻る」の場面を増やして会話をさせてなんとでも伸ばせるんだろうけど。とりあえずは3禅寺くらいを上限に詩よりのショートショートをコンスタントに書く人がいても良いと思う

落下する/藤田 青土
・タイトルが好み
・”ここに記してあるRX-82型最新ヒューマノイドが私です。1500℃の溶鉄の中という極地で、私は溶け切るまで感覚器官の反応のデータを送信します”
・”……どうせ溶けるんだから防熱スーツはいらないか”
・”防護服のまとわりつくような圧迫感が、今はお気に入りの毛布にくるまっているようにエリヤを安心させた”
・描写力高い気がする
・今回の提出作の中でわりとリーダビリティ高く、台詞と地の文のバランスが良い。
・登場人物が基本2人だし、シンプルなプロットなので1万字ちょっとで完結させたのは正解だと思う。
→溶解炉を舞台に、そこに身を落とすことを指示されたヒューマノイドと観察者エリヤ。お互いの父の存在に触れ、ヒューマノイドが消失するまでを描く。そして...
◇読みやすく描写力があり、タイトルセンスなど全体的に好感。最後に斬新ではないが良い意味での「え」も用意されている。反面、この作品の梗概審査での記憶がほとんどなく、静かなまま埋もれており、せっかくリーダビリティ高いのにこの実作読んでる人そんなにいない気がする。この一作だけの印象を端的にいうと、適性が純文学の人。「どうすれば実作義務数人に選出されるか」という観点で必要なのは、SFでなくてもよいからセンスオブワンダー的要素か、突拍子もない登場人物、どちらかだと思う。

続シロクマは勘定に入れません・・・輪るシロクマ・ミュージカル編/今野あきひろ
・私はこういう者です、という文章
・段落なり章で読もうとする俺の常識がここには無い。時間経過の記載のそれが代替
・冒頭の1時間3分の動画を流しながら読むことを考えると、これは引用し無いほうが賢明な気がする
・”「俺がロックンロールだからロックンロールで死にたいんだ」” 
・レース1日目までの前フリがわけ分からんけど楽しい →フジロックの魂? →レース始まった。全力で、バカになれ →いや今、冒頭のBGM代わりの動画と世界観ぜんぜん合ってなくね →大量の大型ドローン(大型ドローンって他の作品でも出てきたが、それはヘリなのでは?違うん?) →レース開始90分で参加者1/3に →ペアを作るターン。回れ、ロックンロールパーティーが〜 →レース中に特定の参加者に「出資する」という概念 →”月餅を食べながら” →あと11人と11匹 →今夜はブギーパップのとこの歌詞(
詩)うける →相変わらず冒頭のBGMぜんぜん合ってない、なんなの →このパートはメンタルがやばい人(ヤンデレてきな)の唄 →”「そんなことを言わないでよ」と、アメリカ水牛のレイチェルは、互いの蹄を見比べながら言った。”(写真) ←なんでやねん。が、これが作家性?ですよ →明日からは殺し合いの様相 →俺も真っ白なダッフルコート来て赤い競技用自転車で坂下ってたらこけて、ダッフルコート赤く染まったことある →レース24時間30分経過、冒頭のBGM盛り上がってきた →ようやく気づいたけど、冒頭の動画との連動性ないな! →レース開始1年経った →え、歌って踊り続け、いつか特異点にたどり着くみたいな話? →機械の身体に →人体が改造された、BGMが染みる →音楽の力を感じる →こんなはずじゃなかった、このブログ記事はこんなことになるはずじゃなかった →3200年経った、機械虫が →”1、2、3、周り続けろ お前のロックを 絶対やめるな 1、2、3、途中でやめるな おまえのロックで 地球に飛び込め 1、2、3、周り続けろ”
◇いやずっと楽しいけども。なにこの人!!!

魔法少女 またみ・たみたみ/品川必需
◇一応自作について。だいたい2卍なのだが、前半1卍書くのに50時間、後半1卍は7時間で書いています。三人称で書いていたのですが1卍書いた時点で完全に筆が止まり、「もう40点でいいや」という気持ちになり途中で1人称に変えるという暴挙でもって完成しました。前半は20回くらい推敲していますが、後半は推敲0です。次頑張りたいです。

 
というわけで、第3回の講座もすでに終わったわけですが、せっかくなので公開します。だいたいは講座前に書いたメモですが、大森さんや他有識者の方と内容が被っている可能性があります。あるいは全然違うこと言ってるかもしれませんが、そのあたりは「そっか〜」と思ってください、そういうものですので。
次やる時は梗概の方やると思う。は〜い、では、やっていきましょう〜。